NHK朝ドラ「まんぷく」で、マーケティングの4Pを分析してみる。

用語解説でマーケティングの4Pをご紹介しましたが、私はドラマなどを見ていてもつい4Pについて考えます。(←職業病)

今回は、2018年10月〜2019年3月に放送されたNHKの朝の連続テレビ小説「まんぷく」で出てきた「まんぷくラーメン」をマーケティングの4Pで分析してみました。

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「まんぷく」のモデルは、日清食品創業者のご夫婦

NHK 連続テレビ小説「まんぷく」Webサイトより

朝ドラ愛好者なのですが、「まんぷく」は特に好きでした。安藤サクラ(立花福子 役)さん、長谷川博己さん(立花萬平 役)をメインに、キャストも素敵でした。

この「まんぷく」のモデルが、「日清食品」の創業者・安藤百福(ももふく)さんとその妻・仁子(まさこ)さんです。ビジネスで苦労して成功して…というストーリー、かなり好きです。お世辞抜きで面白かった。

という朝ドラ紹介はおいておいて、、

ドラマ中に「まんぷくラーメン(モデル:チキンラーメン)」を開発して販売する過程があるのですが、そこでの4Pをご紹介します。

「まんぷくラーメン」で見る4P

Product(製品):お湯をかけるだけで食べられるラーメン

まずは、プロダクト(製品)。

萬平さんは発明家であるため、完全にプロダクトの開発からスタートします。そのコンセプトは「お湯をかけるだけで食べられるラーメン」

「まんぷくラーメン」のモデルは「チキンラーメン」です。私は物心ついた頃からあったのでドラマを見るまで疑問に思わなかったのですが、「お湯をかけるだけで食べられるラーメン」ってすごいですよね。この時代、ラーメンは屋台で食べることが一般的だったそうですが、それを家で、しかもお湯をかけるだけでラーメンが出来上がるなんて本当に魔法のようです。

これはプロダクトアウト(企業側の都合・思い入れ・技術などを優先するマーケティング手法。「作ってから売り方を考える」タイプ)のように思われますが、萬平さんは妻の福子さんの困っていることや言葉からヒントにコンセプトを決めてモノづくりに励みました。

儲けよう!と思うよりも、「誰かの何かの役にたつもの」を作ろうとしてできた商品です。

そしてその開発のために、道に迷わないために(ブレないために)、即席麺のための5箇条を掲げます。これはビジネスにおいて重要な「課題設定」です。

即席麺の5箇条

一、美味しいこと

一、安く買えること

一、便利であること

一、常温で保存できること

一、安全であること

実際、チキンラーメンのWebサイトにも書かれていました。

チキンラーメンWebサイト「歴史とヒミツ」より

ネーミングやパッケージにもこだわります。ネーミングは確か福子や子供達が考案。萬平&福子でまんぷくラーメンて。すごいセンス。パッケージデザインは親族で画家の忠彦さん(要潤さん)にお願いして作り上げます。

※余談ですが、忠彦さんのファッションが結構好き(特にシャツの形状が好き)で毎回楽しみでした。

ドラマでは経営用語的な難しい言葉は全く使っていませんが、コンセプトづくりに課題設定、プロダクトアウトとマーケットイン的な考え、そしてネーミングやパッケージにもこだわるなど、素晴らしいProduct開発だと思います。

のちに、「国立栄養研究所」から栄養たっぷりであるというお墨付きも受け、商品力をアップします。

Price(価格):20円

次に価格ですが、20円という価格設定をします。

発明家な萬平さんは価格設定など考えていませんでした。5箇条の中に、「安く買えること」というくらい。完成後、なんとなく「1袋10円くらいがいい」と言っていましたが、世良さん(桐谷健太さん)から「アホなこと抜かすな!まんぷくラーメンは画期的な商品やぞ。30円いや40円の価値はある。時間も売っとんねん。」と言われ、真一さん(大谷亮平さん)が「間とって20円かな」というザクッとした感じで価格設定されます。

さらっとセリフで言っていただけですが、世良さんの「価値」という発言や「時間も売っとんねん」という発言は素晴らしい着眼点です。

確かに原価計算や販売計画を一切せずに設定しているのは問題ですが、この「価値」から価格設定するのはセンスがあります。

ちなみに鈴さん(武士の娘)は「労力も含まれているのよ」と言っていましたが、価格は「作り手の労力」よりも「顧客の価値」から設定することが望ましいでしょう。

萬平さんのセリフによると、うどん1玉が6円だった時代だそうです。20円は外食に近く少し高いという印象で、鈴さんも「20円は高すぎて売れないわ。」と反対します。(鈴さんの意見はいつもスルーされるけど)

Place(流通):大急百貨店での試食販売

次に流通、すなわち「販売する場所」です。

世良さんの勧めで、大急百貨店(モデルは阪急梅田百貨店)で試食販売をします。しかし、画期的な商品がゆえに世間からはその価値を理解してもらえず、最初は全く売れません。

売れないので、問屋からも冷ややかな反応で、なかなか取り扱ってくれません。

そのほか、福子さんが勤めていた「パーラー白薔薇」でも原価で販売します。そこでは大好評でした。

Promotion(広告宣伝):テレビコマーシャル

大急百貨店での試食販売は当初なかなか売れませんでした。パッケージを並べて、うんちくを語るだけで、食べたいという人に作ってあげるというスタイルなので、お客さんからは声がかかりません。

「売れないのはパッケージのせいだ…」とパッケージデザインした忠彦さんが悩み、別案を持ってくるくらいでした。まんぷくラーメンのパッケージは斬新なデザインでしたが、それが売れないので「無難なパッケージ案」を持ってきました。そう、売れないときにパッケージの問題にすることが良くありますが、それだけが問題というワケではないですよね。

無難なパッケージ案…。ブレブレになります。

価格も下げたほうがいいのかな…。というネガティブな意見も出てきます。そうじゃないですよね。

試食販売では、世良さんが「順番が逆や!」と言われます。お客さんに頼まれなくても作り、「におい」でつるという作戦に変更します。3分でできることを見せるためにうんちくを語るなど、頑張ります。少しずつお客さんは足を止め、売れるようになってきました。

しかし、何回も3分喋るのはとても大変です。それで売れても数個程度。

そこで悩んでいた福子さんが偶然、克彦さんの家でテレビコマーシャルを見て、「これや!テーレービーやー!」と思い立ちます。百貨店に来ているお客さんだけでなく、テレビコマーシャルであれば多くの人に、しかも何度も喋らなくても良く「まんぷくラーメンの良さを伝えられそう」というところがピンときたのでしょう。

世良さんによるとテレビコマーシャルはまだ始まったばかりで、テレビ局は宣伝してくれる企業が少なくて困っており、広告料は少なくて済むとのことでした。

企画から全部考えてもらうとお金がかかるので、自分たちでコマーシャルの内容を考えます。そこで伝えたい内容を考えます。

  • 美味しいこと
  • 便利なこと
  • 20円は高くないこと
  • 栄養たっぷりなこと

で、できたコマーシャルがこんな感じでした。

まんぷくラーメン テレビコマーシャルの流れ

「丼に麺を入れて、お湯をかけるだけ」 福子、お湯を入れる。

「たった3分で、美味しいラーメンの出来上がり!」 福子、時計を持つ。

「栄養満点のお墨付き」 福子、丼の蓋を取る。

「大人も子どももみんな大好き、まんぷくラーメン」

子どもたち:「おいしい!」

「一家に5袋まんぷくラーメン!」 福子、5袋見せる。

素晴らしい広告。見た瞬間「これは売れるわ」と驚きました。

シンプルでわかりやすく、顧客の価値もたくさん入っています。完全に顧客視点ですよね。

これが大反響で、まんぷくラーメンは売れまくり、冷ややかだった問屋からも注文が殺到し全国で販売されるようになります。

4Pはすべてが相乗して効果が現れる

結果的には最後のPromotion(テレビコマーシャル)で売れたワケですが、それだけが売れた要因ではありません。

  • 顧客が価値を感じるProductであること。
  • その価値に見合うPriceであること。
  • その価値を求める人が買いやすいPlaceであること。
  • その価値を伝えられるPromotionをすること。

もちろん、まんぷくラーメンの真似をすれば売れるというわけではありません。その時代や競合を考えながら、4Pすべてのマーケティング戦略のバランスが大切です。

商品開発や、既存商品の売上向上を狙いたい方は、一度今の戦略を4Pで分析してみてください。

そして、身近なものを4Pで分析してみるクセをつけるとマーケティングに強くなると思いますのでぜひ試してみてくださいね。

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