広告宣伝費の予算を決める方法

まずは前期の数値(売上・利益・広告宣伝費)を確認する。

まずはじめに、前期の決算書から、「(A)売上高」「(B)粗利益」「(C)営業利益」「(D)広告宣伝費」の4点を確認しましょう。

(C)営業利益に関しては、もし「営業利益」と「経常利益」・「税引き前当期純利益」の差がかなりある場合は、「経常利益」・「税引き前当期純利益」を見ると良いでしょう。

ここで例えば、(A)1億円、(B)4,000万円・・・粗利率40%、(C)1,000万円・・・営業利益率10%、(D)500万円だったとしましょう。

もし前期のみでなく、過去3カ年分の数値があれば算出してみると、傾向が見えてより良いでしょう。

来期の「経営戦略」と「数値計画」を確認する。

次に、来期1年なり3年なりの経営戦略(どういう経営をしていくか)および数値計画(どれくらいの売上高や利益を出すつもりか)を、経営者や上司に確認してみましょう。

ズバリ、「社長、広告宣伝費の予算を決めたいので、来期1年間や、今後3年間の数値計画とその戦略の内容を教えていただけますか?」と聞くのでOKです。

その質問で経営者や上司が行き詰まるようでしたら、やれやれ顔をしてやりましょう。「え、マジ?」と声を出さずにくちびるを動かすくらいの顔です。

そして「前年と同じ1億売ろうとしているのか、10億売ろうとしているのか、利益はいくら出そうとしているのか、目標も分からないのでは広告宣伝費の予算なんて決められないですよ。」と言い放ってやりましょう。

多くの中小企業には戦略がない。

ほとんどの中小企業の場合、「え、マジ?」という顔をしなければならないことになると思います。そう、経営戦略や数値計画を明確に立てられてる経営者や上司はあまり多くはないようです。

もし経営戦略コンサルタントがパートナーとして存在する企業であれば、そのコンサルタントに聞くのも良いでしょう。

税理士はほとんどの企業が入っていると思います。ただ、税理士は過去の実績の数値は詳しいかもしれませんが、未来の戦略や数値計画については経営戦略コンサルタントに確認する方が望ましいです。

なければ、つくる。

もし経営戦略や数値計画を立てていないようであれば、簡易的にでも立ててあげましょう。こんな感じで考えましたと。資料化するのが面倒であれば、手書きでもいいと思います。ざっくり概要でしたら、訓練しだいでパパッとその場でかけるレベルにもなれます。

昨年度比◯%アップとか、この商品を◯千万円売りましょうとか、そんなところから積み上げ、まずは売上高の数値計画で攻めましょう。

例えば「前年比で売上高10%目指しましょう」であれば、来期の売上高目標は1億1,000万円です。

経営者は「売上高」には敏感。

数値で攻めたら、「おお、そんな感じかなぁ」とか「いや、もうちょっとイケるかな」という曖昧な返答があるでしょう。そこで何度か質問や提案を繰り返すことで具体的な数字となっていき、売上高の数値計画ができていきます。

大抵の経営者は数値には敏感ですので、「具体的な売上目標」という数値的に攻めていくのは手段としては有効だと思います。

目標の売上高が出たら、「費用」のかかり方が前期と変わるかどうかを確認する。

「具体的な売上目標」が出たら、その売上に対してかかる「費用」が変化するかどうかを確認します。

まずは粗利率が変わるのかを確認します。仕入れや原価の価格が変わる予定がなければ、粗利率が大きく変わることはあまりありません。そうなると前期同様に粗利率40%として、来期の目標粗利額は4,400万円になります。

さらに、営業利益をどの程度で考えているかも確認します。ここで仮に、来期の営業利益の目標を1,100万円(前年比10%増)になったとしましょう。

そうなると、粗利額(4,400万円)ー 営業利益(1,100万円)=3,300万円(予定の販管費)となります。そのうち、人件費や地代家賃等の予想できそうな販管費の金額を確認することで、広告宣伝費が出てきます。

ここで、来期の広告宣伝費が550万円となったとします。

おおよそはこの額で決めても良いでしょうが、次からは具体的にその額でどこまでできるかを検証していきます。

広報部 ナツミ
広報部 ナツミ

なるほど。来期の売上目標の額が多くなるのであれば、広告宣伝費も予算が大きくなるかもしれないのね。

クマはじ先生
クマはじ先生

これまでの実績の数値と、来期の目標数値から予算を決めるのは、論理的で説明もしやすいと思う。

ただ、数値的にはそうだが、その目標の売上高をどんな戦略で達成するかによって、その手段の一つである広告宣伝はやり方も予算も変わってくるだろう。

次からは戦略を意識して、その予算で良いのか検証をしてみよう。

目標とした売上高の増減の理由を分解してみる。

もしその目標となる売上高の数値がプラス成長であるならば、なぜそうなるのかまで聞きましょう。

売上高の考え方はとてもシンプルで、「客数×客単価」です。

つまり、もっと客数を増やす(認知度をあげる)のか、客単価をあげる(一人当たりの平均単価をあげる)かです。

売上高 = 客数(E) × 客単価(F)

これをさらに分解すると、客数は「既存顧客 + 新規顧客 ー 流出顧客」で算出されます。

既存顧客にリピートしてもらうのか、新規顧客を獲得したいのか、流出防止するのかで、全く戦略は変わります。

また、客単価は「購買頻度 × 購買点数 × 一点あたり単価」で算出されます。

購買の頻度を高めてもらうのか、多くの商品点数を買ってもらうのか、そもそも一点あたりの単価を高めるのか、これもまたそれぞれで戦略は変わります。

(E) 客数 = 既存顧客 + 新規顧客 ー 流出顧客

(F) 客単価 = 購買頻度 × 購買点数 × 一点あたり単価

広報部 ナツミ
広報部 ナツミ

売上を上げるって言っても、いろんな方法があるのね。どの部分を強化するかにによって広告のしかたも変わりそうね。

クマはじ先生
クマはじ先生

その通り。結構シンプルな式だしイメージしやすいことだが、意外とこのことが頭にない経営者もいる。

広告宣伝の狙いの多くは、認知度を上げる・ブランドイメージを高める・リマインドして(思い出して)もらうなどだが、その目的ほほとんどは「売上を上げること」だ。

売上高を上げるためにどの部分を強化するかを経営者や上司に確認すると良いだろう。

次からはさらに具体化していこう。

次ページ:広告宣伝のタイミングを、年間スケジュールにしてみよう。

コメント

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